アバクロンビー&フィッチとアーネスト・ヘミングウェイ
アバクロンビー&フィッチの有名な顧客に、アーネスト・ヘミングウェイ(1899-1961)がいます。 ヘミングウェイは行きつけのホテル、BAR、カフェ、レストランなど、飲食に関しては小説やエッセイで折にふれ登場させていますが、なぜかお気に入りの服屋やショップに関しての記述はほとんどありません。しかし、アバクロンビー&フィッチだけは、店での買い物の様子がたびたび描かれています。 現在のラグジュアリーなカジュアルウエアを扱うブランド&ショップとしてのアバクロンビー&フィッチしか知らない人はピンとこないかも知れませんが、現在のようになったのはリミテッド社が新たなコンセプトでアバクロンビー&フィッチ再生を図った1988年以降のことで、もともとはニューヨークのアウトドアとスポーツを愛する富裕層向けのショップだったのです。 ヘミングウェイも、釣り、狩猟、キャンプなどのアウトドアに少年時代から慣れ親しんでおり、彼にとってアバクロンビー&フィッチは10代後半のころからの行きつけの店だったのです。ヘミングウェイは、道具としての実用性や機能性、品質に重きをおき、ひとたび良いものだと納得すると金にいとめをつけず買い求め愛用する人物でした。
※参考書籍 |