vol.10 Arne Jacobsen

Date: 2015年7月12日 Category:

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Arne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン)1902-1971

 

“家具デザイナー”として広く知られているアルネ・ヤコブセンですが祖国であるデンマークでは建築家としても個人邸や集合住宅、ランドスケープなど多くの建築作品を残しました。また、建築に関わるすべてのものを興味の対象とし、彼が手掛けたものはカトラリーから食器、照明やテキスタイルまで多岐に渡ります。

単純に建物のみを設計するのではなく、建築の環境全体に目を向け、総合的に人々の暮らしをデザインするというスタンスが、結果として多くの優れた家具を世の中に送り出すことになりました。

また、彼は家具デザインにおいて新しい素材と技術を取り入れ、ユニークで画期的な形態を次々と生み出しています。

量産可能で生産性の高さが加わった彼の家具は国を越え広く人々の手に渡り、デンマークデザイン界に新たな風を吹き込むこととなりました。

東京ヴィンテージで出品中のArne Jacobsenの作品


略歴:
1927年、王立美術大学建築科を卒業。1956年から1965年まで王立美術大学建築科教授をつとめる。デンマーク近代建築、機能主義建築の旗手として多くの建築を設計、同時に家具を設計し、家具デザイナーとしても多くの名作を残している。


主な受賞:
1925年、パリ万国博覧会銀賞。1926年、アカデミー金賞。1936年、エッカースべアー賞。1955年、C.F.ハンセン賞。1957年、ミラノトリエンナーレグランプリと銀賞。1962年、国際建築賞グランプリ。1962年、デンマーク建築家協会名誉賞。1966年、オックスフォード大学名誉博士号。その他多数の賞受賞。

 

主な作品:

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Seven chair (FH3107)
セブンチェア

1955年にデザインされた日本でも馴染みの深いヤコブセンの代表作です。このセブンチェアシリーズにはキャスターつきのもの、会議用の小さなテーブル付きのもの、船で使用されるよう床に座面を固定するもの、横に連結するものなど様々なバリエーションがあります。どれも用途に応じて使用しやすいよう彼のアイデアが活かされています。現在はFritz Hansen (フリッツハンセン)社で製作されています。

 

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The Munkegaard chair (FH3105)
モスキートチェア

1955年、ヤコブセンが設計したムンゲゴー小学校のためにデザインされた椅子です。背もたれが細く、そのシェルの形状からモスキートチェアと呼ばれています。現在手に入るFritz Hansen (フリッツハンセン)社で製作されていたものはビンテージ商品のみとなっています。


The Ant chair (FH3100)
アントチェア

1951年コペンハーゲン、ヤコブセンが設計したNOVO製薬会社の食堂のためにデザインされた椅子です。並べて使用する際、椅子の前脚同士がぶつからないようにオリジナルデザインは3本脚でした。背もたれ腰部分の両側に切れ込みがあり、この形が蟻の胴体部分に似ていることから”Ant Chair=蟻チェア”と呼ばれています。成形合板を使用したもので「3次元曲面」「背もたれと座面が一体」「量産化」という条件を満たした世界で初めての椅子となります。現在はFritz Hansen (フリッツハンセン)社で製作されています。


Swan Chair (FH3320)
スワンチェア

1958年、SASロイヤルホテルのラウンジ用の椅子としてデザインされました。シートの形が白鳥が羽を広げる様子に似ていることからこの名前が付けられ、曲線のみの形状は当時の製造技術において革新的でした。2人掛けのソファタイプも商品化されています。現在はFritz Hansen (フリッツハンセン)社で製作されています。

 


参考書籍:
Danish Chairs【デンマークの椅子】織田憲嗣 著